2002年8月22日
NO.11 『価格破壊とデフレの作る社会』
社会保険労務士 三宅裕樹
冒頭にも書きましたが、最近中国製品が日本の市場を席巻しています。繊維製品の普及品ほぼ全量は中国製ですし、家電製品でも今後そうなるでしょう。 また食品においても、昨年度セーフガードが発令されたように葱や椎茸等は中国製が広く販売されています。
中国製品が市場を席巻している原因はただひとつ、「価格の安さ」です。中国では、一般労働者の月給が1万円以下(日本円換算)ですから、日本の最低賃金(各県によって異なりますが)が月額約11万円ですから、価格競争力は論ずるまでもありません。ですから、生産に特殊な技術が必要でない製品に関しては日本製品は価格面で太刀打ち出来ません。
しかし最近こんな問題が出てきました。「中国製ダイエット食品に、禁止薬物検出」とか「中国製ダイエット食品で肝機能障害発生」等といった問題です。 また、「中国製ほうれん草から大量の農薬残留が発覚」等安いからといって中国製品を歓迎出来ないような事件が頻発してきました。 冷静に考えると、どうも続けさまに事件があるので、中国製品に反発した作為的な報道とも取れなくもありません。
しかし、最近私自身も家電製品(中国製)の初期不良に3度も遭遇しています。以前は、買ってきたばかりの電化製品が動かないなんて稀でした。仕事柄パソコンも毎日使いますが、価格が安くなった事は歓迎するのですが、品質の低下は明らかに感じます。
品質の低下、食品の安全性が低下。そんな代償を払ってまで、安価な製品(食品)を望むべきなのでしょうか?
私は、見栄っ張りでも保護貿易主義者でもありませんが
、「少々高くてもいいから、確実な品質の高い製品が欲しい!」
と思っております。しかし、そんな声は少数派なんでしょうね。
価格が安ければ品質の低下は容認する社会、ひいては人間のレベルまで低下を容認する社会になってしまうような気さえします。 公務員の不祥事、企業の様々な不正、若者の常軌を逸した行動、子供を虐待する親。これすべて、最近のデフレ社会が人間のレベルまで下げてしまったような気がしませんか?
こんな時だからこそ、確実な製品を作り出す確実な仕事。価格至上主義ではなくて、品質至上主義の社会を取り戻さなければいけないと思うのですが。