2002年2月16日
NO.6 『無事これ名馬 の解釈』

                      社会保険労務士 三宅裕樹
 諺に、「無事これ名馬」というのがあります。私は若い頃この諺の本来の意味を理解せず、無事=平凡・無事しか取り柄が無い事の比喩と曲解しておりました。
 例に出して恐縮ですが、ふた昔前の高性能自動車はよく壊れたものでした。気化器が現在のように電子制御されていなかったので、なかなか快調を維持するのは難しかったのです。それに比べて、カローラやサニーの様な車は、性能は平凡で特に取り柄が無いのですが、壊そうと思っても壊れない位丈夫でした。暑い日も寒い日も、いつも快調に走ってくれたものです。
 スポーツ選手でも、優秀な選手は怪我との戦いで、オリンピック等でも怪我のために本来の力が発揮出来なかった選手も数多くあり、私もテレビの前で大いに悔しがった事もありました。

 ところが、最近になって状況が俄かに変わってきたように思えてなりません。
例えば、ジャイアンツの松井選手は球界屈指の強打者ですが、何と殆ど全試合に先発出場しています。また、昨年大活躍した、イチロー選手も怪我で休んだ話は余り記憶にありません。勿論、我々が知らないだけで彼らは怪我と日夜戦っているものと思いますが、しかしファンの期待を裏切る事無く、連日素晴らしいプレーを見せてくれます。前述した自動車の世界でも、電子制御が上手く行われているため、いかなる高性能エンジンでも昔のように気難しくなる事はありません。
 私も、この仕事を始めて気づいたのですが、どこの企業でも優秀な方は、非常に早く出勤されます。その上、病気欠勤など殆どありません。また、そこそこのお歳であるにも関わらず、若い世代よりも余程元気で、残業が続いてもネを上げる若い社員を尻目に、バリバリ活躍をされています。
 「無事これ名馬」どうも最近では、名馬(優秀な人)というものは、自分のコンディション作りにまで卓越した才能を発揮して、怪我や病気すら克服?してしまうもののようです。才能がありながら、怪我で休んでばかりのスポーツ選手や、高性能だけど、すぐ壊れるスポーツカー等は、もはや名馬とは呼んでもらえない世の中になったようです。