2002年3月5日
NO.7 『企業のモラル』
社会保険労務士 三宅裕樹
最近テレビにおいて、よく見かけるシーンに、記者会見場で企業のトップ(もしくは、役人のトップ)が深々と頭を下げて、皆さんに詫びているのをよく見かけます。少し前は、薬害エイズ事件の○十字、○奈川県警の警官不祥事、最近ではBSE問題に関連した○印食品関係の方でしょうか。まあ、組織のトップとして普段は君臨されている方たちですから、あの場で謝罪する気持ちは察するに余りあります。
さて、それでは何故あの方たちが深々と頭を下げて、皆さんに詫びなければならなかったのか?
答えは簡単です。彼らの企業(組織)が、犯罪行為(もしくは、それに準ずる)を行った事に他なりません。企業は、顧客の信頼の元に成り立っているのですから、顧客の信頼を裏切った行為は、ある意味では犯罪以上かも知れませんね。
いつの世にも悪い事をする人には事欠きませんが、どうも最近になって、「以前では考えられない・・」犯罪や不正行為が目立っているように感じてなりません。
製薬会社であれば、安全な薬剤を製造販売するのが当たり前。食品会社ならば、人間の命の根幹ですから、安全な美味しい食品を提供する事が絶対的な使命です。それを、目先の利益を追う余り本来の使命を忘れているのですから、日本企業のモラルも地に落ちたものです。
私は若輩者ですから偉そうな事は言えませんが、この資源も何も無い国が、世界の大国と対等に渡り合えた原因のひとつが、日本の勤勉な国民性に根付いた企業倫理・モラルの高さだろうと信じています。正直な話、今でも欧米や東南アジアで製造された工業製品の中には、「いい加減」を絵に書いた様な製品も数多くあります。しかし、日本製ならばまず問題はありません。しかし、今後は日本製=安心といった構図が崩れてくるのかと思うと、残念な気持ちです。
企業モラルの低下の責任は、その全てが経営者にあると言えます。「部下が勝手に・・」といった詭弁は通用しないと考えなければなりません。目先の利益のみを追い求めたり、多量の不良在庫を抱えるからといって、その結果失う信用の価値を考えたら、経営者たるもの厳しい選択をしなければなりません。
悪い製品を世に出して、少しばかりの利益を目論んでも、消費者は絶対に許してくれません。むしろ、消費者の為に赤字を抱えた企業があるならば、消費者は製品の購入を通じて、必ず支援してくれるものと信じます。
言い古された言葉ですが、信用を築くには何年も掛かりますが、信用を失うには一瞬で充分です。
こんな厳しい時代だからこそ、企業のモラルを守っていきたいと考えます。
